インプラントについて
こんにちは!今回はセントティースデンタルクリニック
歯科医師 藤 大補です。
今回はインプラントについて解説したいと思います。
インプラント治療は、失った歯を補うための歯科治療法の一つです。
具体的には、インプラントと呼ばれる人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に被せ物の歯を装着することで、自然な形態と機能を回復させる治療方法です。
今回は、インプラント治療の概説、メリット、デメリット、手術方法、および注意点について解説します。
インプラント治療の概説
インプラントは、一般的にチタン製であり、人体の骨と親和性が高く、骨と強固に結合する(実際には完全にくっついているわけではない)素材です。よって強固な安定を獲得し、天然歯の同程度の嚙み合わせを再現します。(実際には天然の歯とは異なる為に咬合の圧力は感じにくい)
インプラント治療は、以下のような工程を経て行われます。
- 診断と計画:まず、歯科医師がお口の中の状態を検査・診断し、インプラント手術が可能かを判断します。CTやX線を用いて顎の骨の状態を確認し、詳細な治療計画を立てます。もし歯周病に罹患している歯がある場合は、まず歯周病の治療や虫歯の治療を行います。そして適切な口腔清掃方法を指導します。インプラントの長期安定を獲得する為には適切なホームケアとメインテナンスが必須だからです。インプラント手術が出来る状況になり次第インプラント手術計画を作成します。
- 手術(インプラント埋入):局所麻酔下で、インプラントを顎の骨に埋め込む手術を行います。この手術は通常、1時間程度で終了します。(各骨の状態によって追加で処置が必要な場合は更に時間を要します)手術後は3-4か月かけて骨とインプラントが強固に結合するのを待ちます。インプラント手術後はきれいで確実で早い治癒を獲得するために負荷や汚染が無い状態を維持してもらいます。
- アバットメントの装着:インプラントが骨と強固に結合した後、アバットメントと呼ばれる連結部品を取り付けます。この際に局所麻酔下で処置を実施しますが、インプラント埋入より早い時間で終わる事が大半です。この処置によりインプラントと被せ物を結びつける役割を果たします。
- 被せ物装着:最後に、アバットメントの上に被せ物を装着します。この被せ物は患者の他の歯と同様に機能・調和するように作製されます。
利点
インプラント治療の主な利点には以下のものがあります。
- 見た目が自然:インプラントは天然の歯に近い見た目を再現できます。周囲の歯と調和します。
- 機能の回復:インプラントは他の歯科治療と比べしっかり咬合することが出来、硬い食べ物でも問題なく噛むことができます。また、発音も他の歯科治療に比べてしやすいことが多いです。
- 骨の維持:インプラントは顎の骨と結合するため、咬合の刺激が骨に伝わります。そのことにより骨の経年減少を妨げる事が出来ます。
- 長期的な安定性:適切なホームケアとメインテナンスを行えば、インプラントは非常に長持ちします。論文にて10年以上の耐久性が90%以上と報告されており、一生使える場合もあります。
欠点
一方で、インプラント治療にはいくつかの欠点も存在します。
- 費用:インプラント治療は他の歯科治療と比較して自費治療の為高額です。これは、材料費や手術の専門性によるものです。費用においては各医院のシステム等による変化します。
- 手術のリスク:手術を伴うため、感染症や神経損傷などのリスクがあります。術前のCT撮影にて適切な手術プランが必要です。
- 治療期間:インプラント治療は、骨とインプラントが強固に結合するまで時間がかかるため、数か月を要する場合があります。(骨との結合状態により更に追加で待機時間がかかることがあります。)
- 条件:全ての患者様に対してインプラント治療が可能なわけではありません。骨の状態や全身の健康状態によっては、他の治療法を選択した方が良い場合があります。
注意点
インプラント治療を受ける際には、以下の点に注意が必要です。
- 適切なケア:インプラントも天然の歯と同様にケアが必要です。毎日のブラッシングやフロッシング、定期的な歯科検診を欠かさないようにしましょう。
- 生活習慣の改善:喫煙や過度のアルコール摂取は、インプラントの成功率を下げる可能性があります。健康的な生活習慣を維持することが重要です。
- 早期の対応:異常を感じた場合は、早めに歯科医に相談しましょう。早期に対処することで、問題の悪化を防ぐことができます。
いかがでしたでしょうか?
巷にインプラント治療における色んな噂や推測がありますが、ごく基本的な事にのみ述べさせていただきました。
インプラント手術は自費治療であり、また体に異物を埋入する処置であります。手術前のプランも大事ではありますが、患者様と歯科医師・衛生士と共に三人四脚で成功させる様に取り組む必要があると思います。
最後に結論をまとめさせていただき、この投稿を終わろうと思います。
長文読んでいただきありがとうございました。
結論
インプラント治療は、失った歯を補う歯科治療の一つであり、多くの利点があります。しかし、欠点やリスクも存在するため、治療を受ける際には十分な検査と歯科医師との相談が重要です。適切なホームケア・メインテナンスを行うことで、インプラントは長期にわたって安定・機能し、生活の質を向上させることができます。
セントティースデンタルクリニック
勤務医 藤 大補
兵庫県の小学校、中・高校を卒業
2013年 福岡歯科大学歯学部卒業
2014年 神戸大学医学部附属病院歯科・口腔外科研修修了
2014年~2023年 神戸大学歯科・口腔外科関連病院 勤務
2024年 セントティースデンタルクリニック勤務 現在に至る
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