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インプラントと天然歯の関係性について|セントティースデンタルクリニック|東岸和田駅すぐ岸和田市土生町の歯科・歯医者

インプラントと天然歯の関係性について

こんにちは!セントティースデンタルクリニックで勤務しています 歯科医師 藤 大補です。

前回インプラント治療において説明しましたが、今回はインプラントと天然歯の関係について説明したいと思います。

昨今色んな歯科情報が行き交い、インプラントにおける誤解や迷信が蔓延っていますので、もし今回の情報が皆様のお役に立てますと幸いです。

歯科治療において、インプラントと天然歯の位置関係並びに相互関係は非常に重要であり、歯科治療選択の際に慎重に検討されるべきものです。インプラントは、歯を失った際にその代替となる人工歯根で、骨内にチタンやジルコニア製のネジを埋め込むことにより、失われた歯の機能と形を取り戻す治療法です。しかし、インプラントが天然歯とどのように相互関係するか、そしてそれぞれの特徴や役割について把握しておく必要があります。

インプラントの基本的なコンセプト

インプラントとは、歯が失われた場合に顎骨に直接埋入され骨と結合することにより機能する人工歯根です。この人工歯根は、通常チタンやジルコニアで作られており、骨との親和性が高く、時間が経ち感染等を合併症を起こさなければ骨と結合(オッセオインテグレーションと呼ぶ)し、人口歯根としての役割を果たします。それによりインプラントは天然歯に代わるものとして、従来の治療方法とは異なり、しっかりと噛むことが出来るようになります。また見た目も入れ歯等に比べ非常に自然な見た目となります。また顎骨と直接結合している為動きません。

天然歯の特徴

一方天然歯は、食事を摂取する為の噛む機能だけでなく、顎の骨や周囲の歯茎に刺激を与えることで口腔内の健康にも寄与します。また噛む力が加わると歯根膜と呼ばれる歯根の周囲組織が、顎骨への応力のクッションになることで強い力が加わったとしても歯を破折から守ります。

しかし歯根膜と呼ばれる組織にて骨とくっついている組織構造上、天然歯は隣接する歯と支え合うことより口の中で位置を保っています。よって隣り合う歯や嚙み合っている歯が無くなってしまうと現状の位置を保つことが出来ず、歯が動いてしまうことになります。

インプラントと天然歯の共存には

上記の事からインプラント治療を行う際には、天然歯と位置関係を踏まえたインプラント手術設計が重要となります。インプラントはどこまでいっても天然歯の代わりとなるものであり、天然歯には敵いません。できるだけ天然歯を残すことが望ましいです。(残せない歯を無理やり残すと云う意味では無い)よって役割しては、歯を失った場合、残存している天然歯が健康であれば、その歯をできるだけ保存する為に、インプラント加療を実施することが望ましいです。

ただし、インプラント加療の際は天然歯とインプラントの間で咬合過重にならないように気を付ける必要があります。なぜなら天然歯が周囲の歯根膜を通じて力を吸収・分散するのに対し、インプラントは直接骨に力が伝わる為です。よってこの違いを理解しておかないとインプラントが過重負担で弱ってしまったり、天然歯がやられてしまったりします。またインプラントは骨と結合している為に動きませんが、天然歯は歯根膜により骨とつながっている為噛む力が加わった時少し動きます。その為インプラントと天然歯をくっつけてしまうと受容する力の不均衡が生じ、何かしらのトラブルが生じる可能性があります。

インプラントの利点と限界

改めてインプラントの利点を考えてみると、不幸にも失った歯を治療する際に、ブリッジ加療により隣接する健康な天然歯を削る必要がなかったり、入れ歯加療の様に付け外しをしなくても良い点が挙げられます。従来のブリッジ治療では、隣接する歯を支えとして利用するために削る必要があり、歯の寿命を短くする可能性がありましたが、インプラントではそのような他の歯を削合する必要がありません。

また、インプラントは耐久性が高く、適切なメンテナンスを行えば、長期間にわたり機能し続けることができます。(10年以上維持する可能性は90%以上)インプラントが骨としっかり結合・安定することで入れ歯やブリッジと比べても非常に安定しています。

しかし、インプラント治療も万能ではありません。まず、インプラントを埋め込むためには十分な骨量が必要です。顎の骨が少なくなっている場合や、骨密度が低い場合は、インプラント治療の難易度が上がります。そのような場合には、骨を増やす手術(骨移植や骨再生術)が必要になることもあります。

さらに、インプラントの成功率は非常に高いものの、絶対的な成功が保証されるわけではありません。手術後の感染や、骨との結合(オッセオインテグレーション)がうまくいかない場合、インプラントが脱落することがあります。特に喫煙者や糖尿病患者など、治癒力が低下している人はリスクが高くなる傾向にあります。

インプラントと天然歯の見た目と機能

外見上、インプラントと天然歯の違いはあまりありません。歯科医と歯科技工士が綿密に計画・治療することで、隣接する天然歯と違和感のない見た目を実現することが可能です。しかし、機能面ではやはり天然歯とインプラントの間には微妙な違いが存在します。それは以前にも記載した通り組織構造上の違いであり、天然歯の歯根膜が持つ咬合感覚は、噛む力や食べ物の質感を感じ取る役割を果たしますが、インプラントはこの咬合感覚を感じることは出来ません。なので、天然歯より嚙みこむ力が強くなる傾向にあります。

天然歯を守るためのインプラント治療の意義

インプラント治療は、失った歯を補うだけでなく、残っている天然歯を守る為にも実施すべきです。歯が脱落したまま放置されると、隣接する歯が動いてしまい、噛み合わせが悪くなってしまいます。また、歯を失い刺激が無くなる事で、顎の骨が痩せてしまい咬む力を失ってしまいます。インプラントは、こうしたトラブルを防ぐために重要な役割を果たし、口腔全体の健康を保つことができる素晴らしい治療法です。

結論

インプラントと天然歯は、それぞれの特徴を理解し、適切に共存させることが重要です。インプラントは、天然歯の機能を補い、見た目や噛み合わせのバランスを維持するための有効な治療選択肢です。しかし、天然歯をできる限り保存することが長期的な口腔の健康にとって重要であり、インプラントは補完的な役割にすぎません。インプラント治療を行う際には、歯科医と十分に相談し、口腔の状態に合った最適な治療計画を立てることが必要です

セントティースデンタルクリニック 

勤務医 藤 大補

兵庫県の小学校、中・高校を卒業

2013年 福岡歯科大学歯学部卒業

2014年 神戸大学医学部附属病院歯科・口腔外科研修修了

2014年~2023年 神戸大学歯科・口腔外科関連病院 勤務

2024年 セントティースデンタルクリニック勤務 現在に至る

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