低ホスファターゼ症って知っていますか?
- 2024年9月14日
- お知らせ
こんにちは。セントティースデンタルクリニックです。
今日は、低ホスファターゼ症という疾患についてお話ししたいと思います。
低ホスファターゼ症(Hypophpsphatasia、HPP)という名前はあまり耳にしない病気だと思います。低ホスファターゼ症は、主にX連鎖劣性遺伝パターンで伝えられます。男性はX染色体を1つしか持たないため、この病気にかかる確率が高くなります。女性は2つのX染色体を持っているため、症状が現れるかどうかは異なる可能性があります。
低ホスファターゼ症は、アルカリホスファターゼという酵素を作る遺伝子に変異がある遺伝病で、小児慢性特定疾患や指定難病になっています。組織非特異型アルカリホスファターゼ(tissue-nonspecific alkaline phosphatase、TNSALP)をコードするALPL遺伝子の機能欠損変異が生じると、血液中のアルカリホスファターゼ(ALP)酵素の活性が低下し、骨の石灰化が障害されます。重症型は死亡の危険性も高く、15万人に1人と非常に稀な疾患です。しかし、軽症である小児型や、歯限局型は、潜在しているものが多いのではないかと考えられています。
低ホスファターゼ症では、ほとんどの患者さんが5歳以下に少なくとも1本の乳歯が脱落します。生え変わりの時期ではない時に根っこの長い歯が抜けてくるのが特徴です。乳歯は基本6歳以降に歯根が吸収した状態で抜けてきますので、早期の脱落には注意が必要です。
あとは上に比べて下の歯が揺れて抜けてくるのも特徴になります。
低ホスファターゼ症は、時間とともに進行し重症化していくものなので、早期に気づくことで患者さんの利益につながります。治療法は、アルカリホスファターゼという酵素を補充する療法で、多くの子供が助かっています。
一般歯科でできることとしては、早期発見し医科に紹介するだけでなく、可能な限り乳歯の保存に努めていくことになります。
具体的には、一般の歯周管理と同じく、保護者への仕上げ磨きの指導、食生活指導、定期的な検査スケーリングを行っていきます。
また、早期脱落した部位に対して義歯の装着も行い噛み合わせのバランスを取ることも重要です。
決して多い疾患とは言えませんが、保護者やかかりつけ歯科などで早期発見することで、子供の将来を守ることができます。少しでも異変に気づくことがあれば、是非相談検査にお越しください。
セントティースデンタルクリニック
院長 髙階 繭次
地元岸和田の小学校、中学校を卒業
2013年 大阪大学歯学部卒業
2014年 大阪大学歯学部附属病院研修修了
2015年 医療法人小室会 小室歯科難波診療所 勤務
2021年 セントティースデンタルクリニック 開院現在に至る
〒596-0825 大阪府岸和田市土生町2丁目29番3号 STELLA BLDG 2F