歯周病と早産について
こんにちは。セントティースデンタルクリニック です。
本日は歯周病と早産の関係についてお話ししたいと思います。
まず早産とは、妊娠37週未満で赤ちゃんが産まれることを指します。28週未満の出産は超早産といわれます。早産は出産全体の約5パーセントを占めています。早産になると、成長が未熟なまま産まれてくることで、疾病や障害のリスクが高くなります。
早産の原因は主に3つで、①子宮内感染、②頸管無力症、③全身性炎症があげられます。歯周病との関係は③全身性炎症に含まれます。
①子宮内感染
早産の約8割を占めています。膣から子宮に細菌が入り炎症を起こし、早産を引き起こします。
②子宮頸管無力症
子宮頸管が緩むことで、流産や早産を引き起こします。
原因はまだよくわかっていません。
③全身性炎症
体に炎症があると、炎症性サイトカインが産生され、それが血流に乗って全身に広がります。これらの影響により、子宮収縮を促し、早産を引き起こします。
歯周病は歯肉や歯槽骨が炎症を起こし、破壊される病気です。歯周病の原因菌が歯肉の血管から血流に入り、胎盤や子宮に影響を及ぼすことがあるとされています。これにより、胎児の発育が妨げられるリスクがあります。
いくつかの研究で、歯周病が早産や低出生体重児のリスクを1.5~7倍に増加させる可能性が指摘されています。ただし、全てのケースで必ず関連があるわけではなく、個々の健康状態や遺伝的要因も影響します。
予防と対策
歯周病の予防は、妊娠中の健康管理の一環として非常に重要です。以下の対策を心がけましょう。
・定期的な歯科検診
妊娠前や妊娠中に歯科医院で検診を受け、歯周病の早期発見と治療を行いましょう。
・適切な歯磨き
歯垢をためないよう、毎日の歯磨きを徹底し、デンタルフロスや歯間ブラシを使用する。
・健康的な生活習慣
栄養バランスの取れた食事を心がけ、免疫力を高める。
妊娠中の歯科治療について
妊娠中でも、安定期(妊娠4~7か月)は歯科治療が比較的安全に行える時期とされています。歯科医に妊娠していることを伝えた上で、適切な治療を受けることが大切です。
歯周病は、高齢出産やアルコールの摂取などと比べても早期低体重児出産のリスクが高いと言われています。
妊娠中の歯科での管理はもちろん大切ですが、妊娠前からしっかりと口腔内の環境を整えておくことが非常に重要だと思われます。何か気になることがございましたら、是非ご相談ください。
セントティースデンタルクリニック
院長 髙階 繭次
地元岸和田の小学校、中学校を卒業
2013年 大阪大学歯学部卒業
2014年 大阪大学歯学部附属病院研修修了
2015年 医療法人小室会 小室歯科難波診療所 勤務
2021年 セントティースデンタルクリニック 開院現在に至る
〒596-0825 大阪府岸和田市土生町2丁目29番3号 STELLA BLDG 2F